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【建築主の声】「大好きなモノたちに囲まれた暮らし」、それをかなえるための”本物”が宿る家。 石切のガレージハウス・大阪

ガレージのある家38 石切のガレージハウス

「同じバイク乗りであり、既にガレージハウスを建てた友人の言葉は、ガレージハウスを建てようという自分には響くものがありましたね。」

所在地/大阪府東大阪市
敷地面積/168.1m2(約50.9坪)
延床面積/182.6m2(約55.2坪)
ガレージ面積/40.5m2(約12.3坪)
愛車(取材時)/アウディA5、ビューエル Lightning XB12Scg
ビルトイン台数/2台

 

緑が溢れ、ゆったりとした街の一画に建ったNさんのガレージハウス。
3年がかりで土地を探しても理想の家の目途が立たず、諦めかけていた時、
今回のTさんも、土地探しをきっかけにプロデュース会社を知り、
住宅プロデュース会社『ザウス』との出会いが、夢を現実へと導いていった。

雑誌 ガレージのある家 vol.38 掲載
text / Shunsuke OOBUCHI(大渕俊輔) photo / Kazushi HIRANO(平野和司)


▲ 外観写真。やや武骨なRC造ガレージの上に、ボックスが2段重ねられたようなS邸。一見シンプルな作りながら、庇の役割も担うせり出された天井が板張りになっていたり、屋根や壁を浮かせたように見せるスリット窓を設けることで視覚的変化が演出されていることが分かる。
 

インターネットに膨大な口コミがあふれる今日だからこそ、本当に信じられる情報に出会うのは思いのほか難しい。信頼できる相手の話が何百もの「いいね!」に勝るのはままあることだし、それが重要な選択に伴うものであればなおのことだ。今回ご紹介するS邸もまた、そんな仲間からのひと言がきっかけとなり誕生した物件と言える。
デザイン関係の仕事をしているSさんは、かつては中古マンションに自らデザインしたリノベーションプランを施して暮らしていた。

「自分が好きなように手を入れ、とても気に入っていたのですが、妻と出会い、子どもができ、ライフスタイルも変化してきたことから、戸建て、特にガレージハウスを考えるようになりました。物件を見てまわり、何人かの建築家にも相談しましたが、なかなかピンとくるパートナーとは出会えませんでした」、そう当時を振り返る。

ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ 高台にあるS邸はひな壇型の土地であることから、ガレージ部分を掘り込み式とし、縦方向の有効活用と道路との段差解消を両立させている。クルマ2台分のスペースがあるが、Sさんはバイクとの組み合わせでゆったりと使っているようだ。
 

そんな時にヒントとなったのが、バイク仲間から聞いた「住宅プロデュース会社・ザウス」という言葉だったという。「仕事の合間にできることは限られていますし、お金や法律など、自分だけではクリアするのに時間がかかる問題もあります。ともに取り組んでくれる人がいれば、自分のこだわりに集中することもできます。何より同じバイク乗りであり、既にガレージハウスを建てた友人の言葉は、ガレージハウスを建てようという自分には響くものがありましたね」とSさん。
「ガレージ」「ゆったりしたリビング」「南向きの開口」「~風の素材を使わない」といった”ゆずれないポイント”を、資料を交えながら伝えたところ、それぞれに明確な回答やプランが返ってきたことからも、「ザウスなら信頼できる」と確信したそうだ。

ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ ガレージへは正面左側に設けられたエントランスからもアクセス可能。「大きいガラスからは、自分の趣味の空間であるガレージがよく見えて通るたびにニンマリしている」とのこと。買い物からの帰宅時や雨天の際など、利便性は高そうだ。
 
ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ ウッドデッキのある庭は、道路からの視線も遮られており、プライバシー保護の観点からも気に入っているそうだ。ここならお子さんも安心して遊ばせられるだけでなく、春になると桜のある景色も楽しめるというから、うらやましい限り。
 

比較的短い期間で土地は見つかり、設計が田中一郎さんに託されることも決まった。田中さんはこれまでも本誌で物件をご紹介してきたとおり、ガレージハウスのプロフェッショナルといえる建築家だ。
「私もこだわりが強いほうなので、当初は意見が一致しないこともありました。ですが、田中さんから提案される素材やアイテムは、試しに組み込んでみると、その真意を理解できるものが多かったんです。次第に『悩んだときは任せよう!』という考えに変わっていきましたね」。ともにデザインへの熱い想いがあるからこその関係は、多くの対話によって構築されていったのだろう。

ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ 当初から実現したかった希望のひとつにはウッドデッキも含まれていた。敷地幅の1/3強を占めるだけにとてもゆったりとしており、ストックされた薪がちょっとした非日常的な雰囲気も感じさせてくれる。
 
ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ 奥様も使う日常の足としてアウディが収まるものの、どちらかといえばビューエルを中心としたバイク色が強いガレージ。お子さんが大きくなるまで出動回数が減るかもしれないが、快適な環境で保管できるとSさんは満足しているご様子。
 

一方で、「ともすれば”作品づくり”に没頭してしまうおふたりを、できるだけ客観的に見るようにしていました。図面の完成前に工務店さんにアドバイスをしてもらったり、”ふたりのデザイナー”から出てくる微妙なニュアンスを業者さんに橋渡ししたりと、いい意味での聞き役になれるよう努めていたつもりです」とは、プロデューサーの原田さんの言葉だ。

個性のぶつかり合いは、時に隔たりを生んだりもするが、「いい家を作りたい」という思いに違いはない。二者で解決できない問題も、三者なら最良の道を見つけられるということを、大いに感じさせてくれる一例だろう。そんなS邸に込められたこだわりの数々は、写真に添えたキャプションにてご確認いただきたい。

ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ 開口部を南向きにとっていることもあるが、一部を吹き抜けとすることで、リビングには柔らかな自然の光が降り注ぐ。部屋の中心部に置かれた薪ストーブと造作されたアイアンのらせん階段、大きな窓を区切る木枠といった要素が、縦方向への視覚的変化を生み出す。
 
ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ 床と天井には無垢のナラ材を使用しているが、異なる幅が表情に変化をつけている。Sさんお気に入りの家具メーカー『TRUCK』製のダイニングセットやチェストは、建築段階で購入しようと考えていたそうで、相性の良さも当然のことと言えるだろう。
 
ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ S邸の中ではやや趣を異とするキッチン。六角形のタイルは田中さんの提案によるもので、当初はピンと来なかったが、実際に合わせてみた際のマッチングには”目から鱗”の思いだったそうだ。アイランドスタイルではないが、視覚的にデッキへもつながり解放感もある。
 
ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ 2階のベッドルームは床と天井の素材は同じだが、珪藻土塗りの壁が占める割合が多いため、リビングよりも柔らかな印象。吹き抜けへとつながる左側の窓は表情のあるレトロなガラスをチョイスし、オーダーで製作。家具との統一感など、細かな配慮が感じられるポイントだ。
 
ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ 全体としてはナチュラルな雰囲気の2階にあって、ひと続きとされたサニタリー&バスルームは素材感のあるタイル張りとされている。高台にあることから、大きめの窓で解放感もいっぱい。
 
ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ コンクリート打ち放しのガレージは、Sさんがセレクトしたヴィンテージアイテムにより、落ち着いた趣味空間が演出されている。コンクリートの施工時にできる丸い穴を活かして棚が設置されており、使い方をイメージしておくと後加工の難しいRC造でも空間の有効活用ができる。
 
ガレージのある家38 石切のガレージハウス
▲ デザインへの熱い情熱を持つSさんのこだわりがそのまま表現されたこの家は、それを具現化した二者の協力なくしては生まれ得なかったに違いない。「ザウスやそこで家を建てたみなさんとの関係は今も続いています。こんなことあまりありませんよね」
 

■ ここがお気に入り
木やアイアン、ステンレスなど、素材を活かしたことで得られた本物の風合いが気に入っています。年を重ねるたびに生まれる経年変化も楽しみですね。
■ これからの夢
メインスピーカーのグレードUPと、ダイニングチェアと同じ張地のソファに買い換えることです。
■ 読者へのアドバイス
何よりもイメージの共有を図ることが大切だと思います。参考になりそうな例があれば、雑誌やカタログなどの切り抜きを見せながら想いを伝えるのも、有効な手段ではないでしょうか。

ガレージハウスの施工例はこちらから

田中いちろうさん

当時お住まいのマンションにもお伺いしましたが、自らリノベーションを手掛けた内装から揃えられた家具、調度品など、すべてにおいてセンスが行き届いた空間でした。Sさんは確立されたライフスタイルをお持ちでしたので、できるだけイメージに寄り添うようプランを提案するよう心がけました。具体的には、節のある無垢のナラの縁甲板を天井と軒裏、床に使用したほか、コンクリート打ち放し仕上げも杉本実型枠を採用し、購入予定だった家具と調和する空間を目指しました。ガレージハウスづくりにおいては、住む人と愛車の関係や距離感が大事だと思っています。「ただ屋根があるだけでいいのか?」「24時間愛車と触れ合っていたいのか?」など、暮らし方のイメージを明確にすることが大切ではないでしょうか。

 

 

所在地大阪府東大阪市
竣工2015年12月
敷地面積168.1m2(約50.9坪)
延床面積182.6m2(約55.2坪)
ガレージ面積40.5m2(約12.3坪)
愛車(取材時)アウディA5、ビューエル Lightning XB12Scg
設計田中一郎
施工建築工房アクトホームズ
プロデュースザウス株式会社
 

ガレージのある家 vol.38 掲載
ガレージのある家38 表紙
発行年月日:2017年4月21日
出版社名:株式会社ネコ・パブリッシング

 

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