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【建築主の声】クルマには安全を、暮らしには光を。中に開いたガレージハウス。大阪のガレージハウス

「良い面だけでなく悪い面も言ってくれるのが良かったですね。これから家を建てる人は、プロデュース会社に間に入ってもらって建築家と建てるのが絶対に良いと思います」

所在地/大阪府
敷地面積/156.4m2(約47.3坪)
延床面積/266.3m2(約80.6坪)
ガレージ/約61.8m2(約18.7坪)
ビルトイン台数/4台
愛車/1971年式ダットサン・ブルーバード、2004年式BMW

 

大阪の住宅街に建つN邸は、外から見る限りでは窓もほとんどなく、
中の様子をうかがい知ることはできない。
ところが2階の居住空間にお邪魔すると、広々としたルーフテラスを中心に
光と風が至るところに行き届き、青空を感じられる開放感に驚く。
施主と建築家、そしてプロデュース会社のチームワークで完成した理想の住まいだ。

雑誌 ガレージのある家 vol.22 掲載
photo / 平野 和司 text / Kota-TAKEUCHI(竹内 耕太)


Nさんが家をつくるのはこれが2回目となる。前に住んでいた家は15~16年前に建てたものだが、建坪が12坪以下の狭小住宅で、ガレージもなかった。駐車スペースこそあったものの、前面道路が4mもなくクルマの出し入れには苦労するため、自転車やバイクの置き場と化していたそうだ。
 
5年前に購入した1971年式510系ブルーバード1800SSSは、前オーナーが屋内保管していたため塗装までフルオリジナルという程度良好な逸品だった。しかし仕事が忙しく年に数回しか愛車を動かせないNさんは、たまの愛車との時間も賃貸の立体駐車場で付着した汚れを落として終わってしまう状況。ビルトインガレージのある広い家をいつか建てたいと、土地を探す月日を送っていた。
 
▲ 外からは中の様子をうかがい知ることのできないN邸。外観は、セキュリティーとプライバシーの確保という要望にも配慮してデザインされている。
 
「ガレージハウスを建てたいけれど、どんな土地が向いているのかもよく分からない……」。そんな中、小誌で住宅プロデュース会社『ザウス』という存在を知り、ガレージハウスの見学会に参加してみたそうだ。そこでザウスのプロデューサーに相談してみると、Nさんの気になる土地が見つかったら無料でチェックをしてもらえることを知った。
 
▲ 2階の内玄関から本当の意味での屋内となる。玄関にもウッドデッキからの光が柔らかく差しこむ。
 
▲ 2階から3階まで吹き抜けとなる約34.8㎡のウッドデッキは、外部の視線をシャットアウトしながらリビングへ十分な光をもたらす。
 
やがて売りに出された今の土地は約47.3坪という広さ。趣味のクルマ2台と仕事用のクルマで最低3台、できれば4台分のビルトインガレージというNさんの要望が叶いそうだった。しかし、自分たちだけで判断することには不安が大きい。さっそく『ザウス』に連絡して専門スタッフに土地をチェックしてもらった結果、平坦な土地なので整地コストもかからず、角地で工事もしやすいなど申し分なく、さらに条件と照合して価格も適正であるとの太鼓判。安心して計画をスタートすることができたのだった。
 
▲ 510系ブルーバードは学生時代に乗りたかったが当時は買えなかったクルマ。しかも11ヶ月しか販売されていなかった稀少なモデル。
 
家の設計を担う建築家を選ぶ際、『ザウス』では登録建築家3名にプランを出してもらって選ぶコンペのシステムが好評だが、Nさんの場合は1名を指名する形とした。なぜなら、プロデューサーがNさんと施工事例アルバムを見ながら話をしている中で、『フジハラアーキテクツ』藤原誠司さんが要望にマッチするのではと見学会を勧め、見に行ったその家がまさにNさんのイメージにぴったりだったのだ。
 
▲ ガレージ出入口には電動シャッターを採用。2枚のガレージがあるN邸だが、屋外側は防火仕様だ。
 
「『ザウス』に相談してみると、いろんな建築家を見ていいと言うし、ちょっとしたことでも質問に答えてもらい、「こういうこともあるのか!」とびっくりしました」とは奥さまの言葉。聞けば、前の家は大手ハウスメーカーで設計士に設計してもらったものの、順番待ちの流れ作業のような印象で、「この土地だとこれしかできません」と、選択肢も与えられなかったのだとか。「藤原さんは細かいことまで話を聞いてくれて、ここはこういうパターンがありますよと、こちらが選べる形で提案してくれたので助かりましたね」とNさんは振り返る。
 
▲ 好きなものを眺めてゆっくりする自分の趣味部屋はNさんの念願だった。これから少しずつアイテムを増やして仕上げていくそうだ。
 
▲ 趣味部屋の一角にはKTC製の壁掛けツールボックス。テレビ棚はフェラーリのレッドでペイントしてもらった。
 
ガレージと趣味部屋、セキュリティとプライバシーの確保、そして風と光が生活スペースに入ってくること―― Nさん夫妻の要望を実現した念願の住まい。外から見るとほとんど窓のない3階建ての家だが、中に入ると2階から3階まで大きな吹き抜けとなっている。家族が暮らすスペースには充分な光がもたらされ、外の目を気にせずに青空を満喫することができるのだ。キッチンやバスルームの外にもルーフテラスが設けられて明るく、大きなウッドデッキの片隅が1階までつながることで、煙突効果により風の流れも心地よい設計となっている。
 
▲ リビングの大きなL字型ソファは素材や寸法を相談して、部屋に合わせオリジナルでオーダーしたもの。座面の下は全て収納となっている。
 
▲ 奥様の要望で対面型キッチンの手元は隠し、カウンターは座りやすい高さとするため、1段キッチンの床を下げている。
 
デッキに置かれた大きな植木は、Nさん夫妻とザウスのプロデューサー、建築家の藤原さん4人で植木屋さん所有の山までドライブして選んできたものだとか。1つのチームとして、一緒に楽しく理想の家をつくり上げた。Nさん夫妻は語る「良い面だけでなく悪い面も言ってくれるのが良かったですね。これから家を建てる人は、プロデュース会社に間に入ってもらって建築家と建てるのが絶対に良いと思います」。
 
▲ 内玄関を入ったすぐ脇には和室が設けられた。これはファーストプランから相談しながら加えていったマイナーチェンジの1つ。
 
▲ バスルームは壁も扉もガラス張りで、奥にはバスコートが。外の視線を気にせず、夜風を浴び夜空を眺めることができる。
 
 

ガレージハウスの施工例はこちらから

 

一つひとつお客様の要望を比較検討しながら、お客様に納得していただいてプロジェクトを進めていく、その時間こそが住まいを訪れた来客者に「どうしてこの家はココがこうなの?」と質問された時、明確に答えられる、ひいては愛着のある、大切に永く住める住まいにつながると思っています。初めてN様にお会いしてから引渡しまでの1年8 ヶ月、ご夫妻もこのプロジェクトを楽しんでいただいたように感じていますし、不謹慎ですが、私も大変楽しかったです。N様ご夫妻、本当にありがとうございました!

 

所在地大阪府
竣工2010年10月
敷地面積156.4m2(約47.3坪)
建築面積124.7m2(約37.7坪)
延床面積266.3m2(約80.6坪)
ガレージ面積約61.8m2(約18.7坪)
愛車1971年式ダットサン・ブルーバード、2004年式BMW
設計一級建築士事務所 フジハラアーキテクツ・藤原 誠司
施工株式会社 ウッドワン関西
プロデュースザウス株式会社・ザウス大阪店

 

ガレージのある家 vol.22 掲載

発行年月日:2011年7月14日
出版社名:株式会社ネコ・パブリッシング

 

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